CPUといえば、パソコンを構成する部品の一つで、 人間の体に例えると脳みそにあたる部分になります。
つまり、パソコンで行われる様々な処理を実行している部品で、パソコンの中で一番大事な部品といっても過言ではありません。
パソコンの動作速度は、このCPUの性能に大きく左右されてきます。
「Intel」といえば、CPUを作っているメーカーとして CM で目にする機会も多く、皆さんもご存知かと思いますが
「AMD」という別メーカーの名前を聞いた事があるという方も多いのではないでしょうか。
家電量販店で販売されているパソコンの中にも、このAMDのCPUを搭載したパソコンが増えてきています。
近年になって目にする機会が増えた事から、新しく出来たメーカーだと思われている方もおられるようですが
AMDは1969年に設立されたメーカーで、実は50年以上の歴史を持っているメーカーになります。
Intelが1968年設立なので、歴史的にはほとんど差がありません。
少し前には、将棋棋士である藤井聡太5冠が自作したパソコンのCPUに用いられた事でも話題になりました。
現在JEMTCの譲渡会で取り扱っているパソコンには、全てIntel社製のCPUが搭載されていますが
今回はAMDとIntel製CPUそれぞれの特徴と、CPUの基礎知識について解説をしたいと思います!
CPUの名前について
Intel製のCPUには、性能の高い順にこのような名前がつけられています。
Core i9 |
Core i7 |
Core i5 |
Core i3 |
Celeron・Pentium |
実際には、他にも色々な数字がついていたりしますが、基本的に、この名前を見るだけで大体の性能を判別出来るようになっています。
AMDのCPUにも、Intelと同じような名前がつけられています。
Ryzen 9 |
Ryzen 7 |
Ryzen 5 |
Ryzen 3 |
どちらのメーカーも、後ろについている数字が大きいほど性能が高いCPUという事になるので、簡単に性能を判別出来るようになっています!
例外として、AMDの最上位モデルは「Ryzen Threadripper」という名前で、名前の後に数宇がつかない物になりますが
一般向けのCPUではないため、搭載されているパソコンを見かける機会はまず無いと思われます。
よく見ると、両メーカーとも、名前に使われているのは奇数だけで、Core i4だったり、Ryzen 4というような名前は存在しません。
実はこれにはちゃんとした理由があるんですが、まずはIntelとAMDの特徴について紹介したいと思います。
メーカーの特徴
2メーカーそれぞれの特徴を簡単にまとめてみました!
Intelの特徴
・CPUメーカーとしての知名度が高い
・製品価格が高い傾向にある
・ シングルスレッドの性能が高い
・消費電力が多い
・CPUの性能をソフトが引き出せる仕組み作りをしている
AMDの特徴
・Intelに比べると知名度が劣る
・製品価格が安い傾向にあり、コストパフォーマンスが優れている
・マルチスレッドの性能が高い
・消費電力が少ない
・CPUの性能をソフトが引き出せない事がある
ここに書かれている「シングルスレッド」と「マルチスレッド」という言葉の意味が分からないという方も多いと思いますので、簡単にCPUの仕組みも紹介したいと思います。
シングルコアとマルチコアについて
「コア」とは、実際に演算を行っているまさにCPUの中心部分の事をいいます。
1つのコアが入っているCPUを「シングルコア」といい、2つ以上のコアが入っているCPUを「マルチコア」といいます。
なんだか複雑に感じるかもしれませんが、コアを人に例えると分かりやすいかもしれません。
1人だけで仕事をしているのが「シングルコア」
2人以上で手分けをして仕事をしているのが「マルチコア」です。
IntelのCPUの名前にも「Core」という言葉が使われていますが、この後ろにつく数字は実際のコア数とは関係ありません。
CPUの構造上、コアの数を奇数にしてしまうと無駄な部分が生まれてしまうので、ほとんどのCPUが搭載しているコアの数は偶数になります。
そこで、「Core i4」という名前のCPUを販売したら、「このCPUにはコアが4つ搭載されている」と誤解されやすくなってしまうんです。
その誤解を防ぐ為に、CPUの名前には奇数が使われているようです。
つぎに「スレッド」という言葉ですが、これはコアが同時に処理出来る作業の数を示しています。
1コアにつき1スレッドというのが基本ですが、近年は1コアにつき2スレッドのCPUが多くなっているので、コア数の倍数がスレッド数になっている物が殆どだと思います。
例えば、「2コア 4スレッド」のCPUであれば、2人で4つの作業が出来るというような感じです。
複数のスレッドで作業を行うことを「マルチスレッド」といい、複数のスレッドで効率よく作業が出来るCPUは、マルチスレッドの性能が高いと言われます。
しかし、パソコンの中にはマルチスレッドが行えない作業があったり、マルチスレッドを行うと、逆に効率が悪くなる作業があります。
その時に大事になってくるのが、1つのスレッドだけで作業を行う「シングルスレッド」の性能です。
たくさんコアとスレッドがあるんだから、マルチスレッドの性能さえ良ければいいんじゃないかと思いがちですが、そういう訳ではないんですね。
AMDのCPUはマルチスレッドの性能を重視していて、IntelのCPUはシングルスレッドの性能を重視しているといわれています。
クロック周波数について
「コア数」と「スレッド数」と同じく、CPUの性能を表すものに「クロック周波数」があります。
クロック周波数とは、CPUが1秒間に出すことの出来る信号の回数の事です。
つまり、このクロック周波数が多い方が、たくさん信号を出す事が出来るので動作が速くなります。
クロック周波数の単位は「Hz(ヘルツ)」で記されていて、現代のパソコンでは「○GHz(ギガヘルツ)」という表記をされていることが殆どです。
1GHz = 10億回なので、ほとんどのCPUは1秒間に10億回以上も信号を出している事になります!
しかし、このクロック周波数は多ければ多いほどいい訳ではなく、クロック周波数が上がると、消費電力も上がってしまいます。
ノートパソコンにクロック周波数が高いCPUを搭載してしまうと、バッテリーがすぐ無くなってしまう事にもなるので、ノートパソコンにはあえてクロック周波数の低いCPUを搭載している事もあります。
その代わり、先ほど紹介したコア数とスレッド数を増やすことで動作速度を向上させたりと様々な工夫が凝らされています。
クロック周波数が高いCPU | クロック周波数が低いCPU |
動作が速くなる | 動作が遅くなる |
消費電力が上がる | 消費電力が下がる |
コア数 = CPUの中で作業をしている人の数
スレッド数 = 一度に行える作業の数
という紹介をしましたが、クロック周波数は仕事の速さを表しているようなイメージです。
IntelのCPUはクロック周波数と消費電力が高く、AMDのCPUはクロック周波数と消費電力が低い傾向にあります。
最後に
ここまでの解説を踏まえ、改めてメーカーの特徴をまとめてみます。
「Intelはクロック周波数と消費電力が高く、シングルスレッドの性能が高い」
「AMDはクロック周波数と消費電力が低く、マルチスレッドの性能が高い」
結局、どっちのメーカーがいいのかは使用用途によっても変わってきます。
簡単にまとめたので下記を参考にしてみてください!
Intelがオススメ
・ゲームをする人
・ビデオ会議をする人
・ネットをよく見る人
AMDがオススメ
・プログラミングをする人
・動画編集を行う人
・パソコンの購入費用や電気代を抑えたい人
こうして見ると、IntelのCPUの方が一般的な使用方法には適しているように思えます。
しかし、今まで紹介してきた特徴については、CPUの発売時期やシリーズによっても異なります。
両メーカー共、現在進行系でより優れたCPUを開発している事もあり、必ずしもそうであるとは限りませんので、あくまで参考程度に捉えていただければ幸いですm(_ _)m