ある日、パソコンを使っていると突然ピーピーという大きなアラート(警告)音とともに、画面にはこんなメッセージが
「あなたのPCはトロイの木馬に感染しています。このウイルスはクレジットカード情報、SNSのパスワード、その他個人情報をリモートIPアドレスを通してハッカーに送信しています。フリーダイヤルで今すぐ当社にお電話ください。」
トロイの木馬とはコンピュータウイルスの一種のこと。
あなたのパソコンにコンピュータウイルまだが侵入し個人情報が盗まれようとしているので、私たちマイクロソフト社のサポートスタッフがお電話でウィルスの駆除をお手伝いします…といった内容です。
このようなメッセージが、マイクロソフト社のロゴとともに画面に表示されます。
大きな警告音が鳴っている最中の、マイクロソフトからと思しきメッセージ…
あなたなら信じてしまうでしょうか?
マイクロソフト社を装う詐欺
実はこれは、マイクロソフト社を装った詐欺行為で、サポート料の名目で多額のお金をだまし取ろうとするものです。
全国の消費生活センターに、2016年頃から被害の相談が出始め、今では年間500件以上の相談件数があるそうです。
その被害額は、1件の平均で約15万円、最高額は300万円近くにも上るそうです。
はじめの警告はただの見せかけ
大きな警告音と、マイクロソフト社を騙るメッセージ…
これらはまだ犯人がだまし取ろうとしている準備の段階。
まだウイルスに感染したわけではないので、落ち着いて対処しましょう。
また、警告のメッセージは、通常では画面を閉じる「×」印のクリックが効かない場合も。
また「×」印にも仕掛けが施されている可能性があります。
対処法は?
対処法としては、キーボードの「Ctrl」+「Shift」+「Esc」を同時に押して「タスクマネージャー」を表示させましょう。
次にインターネットを閲覧しているブラウザを選択し「タスクの終了」を左クリックします。
これで、警告音とメッセージを消すことができます。
パソコンの操作に不慣れな方の場合では、電源ボタンの長押しでシャットダウンしてしまうのも一つの方法です。
また、対処後には現在お使いのウイルスソフトを使ってパソコンをスキャンしておきましょう。
絶対に電話はかけないで
警告音が響く中で表示されるサポートダイヤルの電話番号と「お電話でサポートします」のメッセージ。
つい電話をかけたくなりますが、電話をしてしまうと詐欺の犯人グループとつながってしまいます。
では、サポートダイヤルを騙る電話での手口はどのようなものなのでしょうか。
犯人グループの組織は複数あるようですが、手口は似ているようです。
下記は手口の代表的な例です。
〇電話の相手は外国人で片言の日本語でサポートを案内されます。
〇パソコンがウイルスに感染したことを告げられ、遠隔操作用のソフトウェアをインストールするよう指示されます。
〇インストールが完了すると、相手はパソコンを操作して警告音を止め、不審なメッセージを画面から消し、パソコンのユーザーに安心感を与えようとします。
〇その上で、ユーザーに対しサポート契約を結ばせようとします。
〇そしてそのサポート料金の数万円を、コンビニなどで購入できる前払式電子マネーで払うよう指示されます。
〇また、購入した前払式電子マネーのコードを電話口で伝えると「エラーが起きた」などと言い、前払式電子マネーを複数回買わされるケースも報告されています。
巧妙で恐ろしい手口ですね…
電話をかけ、パソコンを操作されてしまったら
つい電話をかけてしまい、遠隔操作用のソフトウェアをインストールしてしまっても、慌てず対処しましよう。
パソコンをそのままにしておくと、大切な個人情報を盗み取られてしまう可能性がありますので、まずはパソコンの電源を切りましょう。
その後は、インターネットにつながすに起動させ、遠隔操作用のソフトウエアをアンインストールしましょう。
それでも心配な場合は、パソコンをリカバリーしましょう。
リカバリーに自信のない方は、詳しい方に教えてもらったり、パソコンを購入した販売店に相談するのも手段の一つです。
最後に
実在するマイクロソフト社や、その関連会社が、パソコンに警告を出し、ユーザーに電話連絡を求めるようなことは一切ありません。
下記に、このような被害にあった際の相談窓口を記載いたします。
万が一の際に、ご確認いただければ幸いです。
マイクロソフト カスタマーサービス | 0120-54-2244 |
消費者ホットライン (最寄りの消費者生活センターをご案内します) | 188【いやや】 (局番なし) |
警察相談専用窓口 | ♯9110(局番なし) |